2019年6月6日 第10回原子力規制員会議事録
第10回原子力規制員会議事録が公開されました。
PDFはこちら→令和元年度原子力規制委員会第10回会議議事録
27~29ページまでがリアルタイム線量計についての議論です。
資料はこちら→リアルタイム線量測定システムの配置の見直しに係る今後の方針について(案)
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PDFはこちら→令和元年度原子力規制委員会第10回会議議事録
27~29ページまでがリアルタイム線量計についての議論です。
資料はこちら→リアルタイム線量測定システムの配置の見直しに係る今後の方針について(案)
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○更田委員長
ありがとうございました。
6つ目の議題、「リアルタイム線量測定システムの配置の見直しに係る今後の方針について(案)」。武山監視情報課長から説明してもらいます。
○武山長官官房放射線防護グループ監視情報課長
それでは、資料6を御覧いただければと思います。
まず、本件の「1.経緯」でございますけれども、原子力規制委員会は平成30年3月20日の第74回原子力規制委員会において、次の方針でリアルタイム線量測定システムの配置の見直しを行うことを決定しました。
①として、避難指示・解除区域市町村外のリアルタイム線量測定システムは、空間線量率が十分に低く安定している地点を対象に、原則、空間線量率の低いものから順に撤去し、平成32年度末までをめどに撤去を完了させることとする。
②として、各市町村から撤去順の変更等について要望があれば、個別に協議する。
③撤去したリアルタイム線量測定システムは、モニタリングポストの設置要望のある避難指示・解除区域市町村内の施設への移設などに活用する。
これを踏まえ、原子力規制庁は、福島県内の市町村の要望に応じて、平成30年6月から11月にかけて、上記方針に関する住民説明会を実施しました。
また、市及び市町村議会からも御意見が寄せられ、電話などによっても御意見が寄せられているところでございます。
「2.住民説明会の結果等」でございますが、「(1)住民説明会の開催状況」。別紙1にございますように、15市町村で18回行いました。延べ652名の方に参加いただきました。
「(2)原子力規制委員会宛ての市及び市町村議会からの意見書」ということで、原子力規制委員会宛てに4市、11市町村議会からいただいているところでございます。
また、「(3)寄せられた御意見」でございますけれども、別紙2のとおりでございまして、別紙2を御覧いただければと思います。住民説明会での御意見、それから、我々の方に電話、あるいは文書でいただいた意見、それから、市及び市町村議会からいただいた御意見を全て一覧表にしております。
代表的な御意見として御紹介させていただければと思いますが、別紙2の26ページ、198番というインデックス(「No.」)であります。これは白河市からいただいたもので、基本的に198番の御意見がほとんどの御意見を含めていると考えておりまして、御紹介させていただきますと、「リアルタイム線量測定システムの測定値は唯一科学的な数値であり、生28活と密に関連しているため、リアルタイム線量測定システムを撤去すべきではない。永久に維持すべき。風評被害はいまだあり、放射線による子どもへの健康被害の不安もある。福島第一原発の廃炉作業中に事故が起こる可能性もあり、いち早く自分の目で空間線量率を確認したい。国やマスコミの公表は信用できない。山菜等はまだ食べることができないため、リアルタイム線量測定システムを撤去すべきではない。原子力規制庁は合理化の追求ばかりではなく感情的な面も考慮し検討すべき。リアルタイム線量測定システムが無くなることで風評被害が増すおそれがある。除去土壌がまだ搬出されておらず、フレコンバッグが破損して除去土壌が流出するおそれがあるという現状も踏まえればまだまだ安全になったとは言いがたくリアルタイム線量測定システムを撤去すべきではない。」という御意見です。
また、もう一つ紹介させていただきますと、21ページ、インデックスで言うと162番でございます。こちらは福島市の御意見ですけれども、ここで同じような御意見があります。「空間線量率が高い地域もあり、そういった地域からリアルタイム線量測定システムが全て撤去されてしまうのは不安であるため撤去すべきではない。福島第一原発は廃炉に向けた作業中であり、除去土壌も搬出中であり不安である。こういった不安に対応するためせめて除去土壌の搬出が完了するまでリアルタイム線量測定システムは維持すべき。福島第一原発事故の経験から政府の発表を信用するのが難しくなってしまった。自分の目で測定値を確認することができるリアルタイム線量測定システムが身近に存在していることは安心につながっているため、リアルタイム線量測定システムは維持すべき。狭い区画にいくつも隣接して設置されているリアルタイム線量測定システムについては撤去の余地がある。少なくとも災害時に住民が避難してくる学校、学習センター等に設置しているリアルタイム線量測定システムは撤去すべきではない。」こんな御意見がございました。
資料6の2ページ目でございますけれども、「3.今後の方針」でございます。このような方針で今後はということでお諮りさせていただきたいと思いまして、まず、原子力規制委員会としては、福島県内の避難指示・解除区域市町村以外の地域における空間線量率のリアルタイムの監視については、空間線量率が十分に低く安定している現状を見れば、現在当該地域全域に配置している可搬型モニタリングポストで十分であるという考えには変わりはない。
一方で、市や市町村議会、住民説明会等において、放射線への不安等種々の理由からリアルタイム線量測定システムの撤去に反対する御意見が原子力規制庁に寄せられました。
このような状況を踏まえ、福島県内の避難指示・解除区域市町村以外の地域に配置しているリアルタイム線量測定システムについては、当面、存続させることを基本とする。なお、狭いエリアに集中的に配置されているものについては、関係市町村の理解を得ながら、当該市町村において全ての除去土壌等が撤去された後、配置の適正化を図ることとしたいと考えております。
以上でございます。
○更田委員長
本件については、武山課長以下、監視情報課が説明会、別紙1にありますけれども、多数回にわたって重ねてもらって、市町村も含めて数多くの意見書をいただいているところですけれども、今後の方針について、御質問、御意見ありますでしょうか。伴委員。
○伴委員
まず、説明会ですけれども、こう書いてしまうと計18回なのですが、武山課長とそこにおられる滝田課長補佐には何度も足を運んでもらって、毎回数時間にわたってこの説明会を実施してもらったという、本当に大変な作業であったと思います。参加者数で見ると延べ652名だけなのかなというのがありますけれども、それでも住民の方々の生の声をお聞きして、その声を考えれば、この事務局案は妥当なものであろうと考えます。
ただ、1つお聞きしておきたいのは、3.の最後のところに「狭いエリアに集中的に配置されているものについては、」とありますけれども、これは例えば、どういう状況があるのでしょうか。
○武山長官官房放射線防護グループ監視情報課長
お答えします。例えば、隣接する施設の敷地の中に各々あるというケースがございます。
また、あるいは100m四方に3台ぐらいあるとか、そういうところもございます。いくつかそういう事例がありまして、そういうところについては、地域の事情もあると思いますので、関係する市町村と御相談しながら、どういうところがそういうものになるのかについては考えていきたいと思っています。
○伴委員
つまり、台数を減らすということではなくて、まさに配置を適正化していくという意味ですね。今、地域の実情という発言がありましたけれども、やはりこの問題は地域ごとに相当事情が異なると思うのですね。ですから、今後とも自治体との連携、連絡を深めていくという努力が必要になると思いますので、その点は是非お願いしたいと思います。
○武山長官官房放射線防護グループ監視情報課長
分かりました。
○更田委員長
ほかの委員、いかがですか。よろしいですか。
私もこの今後の方針に関しては妥当なものだと思いますけれども、ただ、そもそも背景には財源が消えるというものがあったはずですので、異なる財源を求めなければならないので、維持を続けるものに関しては、財務当局への説明を、これらの意見を踏まえた上で、きちんとした説明を続けてもらいたいと思います。ありがとうございました。